インド人運転手さんの欲しかったもの
ゆかちん さん
2022/11/08 投稿
私はインド人の旦那と結婚し、北インドに住んでいました。
そんなある日の出来事です。
インド人の旦那と北インドの実家から、
首都のデリーまで夜行バスで移動をする時がありました。
夜行バスに乗るために、ローカルのバス停から
夜行バス乗り場へ移動するためにバスを待っていました。
旦那はすぐにバスが来ると言っていたのですが、
なかなかバスは来ず、このままでは夜行バスが出発する時間
になってしまうと私は焦り気味でした、、
10分、20分待っても来ない中、1台の普通乗用車が目の前で止まったのです。
中にはおじさんが二人乗っていて、どうやらタクシーではないよう。
旦那が乗ってと言ったので、私は従うまま乗りました。
車は穏やかに進み、なんとか目的地のバス停へ到着。
お支払いをするため、旦那が会話をしていますが、
どうやらお金を渡していません。
お礼を言い、降りた後に旦那にお代は?と聞いたところ、
「お金はいらないから、Blessings(神の恵み)をくれ」と言ったと言います。
私はなんだかほっこり感動してしまいました。
おじさんの好意でただ私たちを目的地へ運んでくれたこと、
そしてお金ではなくてそれよりも幸運が欲しいと言ったこと。
日本人的には、そのような感覚ってあまりないと思います。
私もインドに住んでいて、宗教的な感覚は分からないことも多くあります。
ただインドには神々を信じ、普段の生活において神様の信仰や
スピリチュアルな考え方が根付いている気がします。
それが良い悪いではなく、ただそのインド人の人々が信じるもの。
旦那に、こういうのは普通なのか?と聞いたところ、
割とそういう考え方はその地域では普通であると言っていました。
そのおじさんは、困っている人を助けたり、
自分の持っているものをシェアをするなど良い行いは後で
自分に返ってくると信じて行動をしているのだと思います。
そう考えると、それはインドだけではなく、
日本にもある考え方だなと思いました。
そんなおじさんとの出会いから始まったバス移動の夜は
とても気持ちが良く、私もそのような心の広い人になりたいなと思った日でした。
そのおじさんにとっては普通のことだったかも知れませんが、
小さな出来事でも異なる価値観に出会うことによって
自分自身の価値観がアップデートされ、視野が広がるのだなと実感しました。
どうかあのおじさんに沢山の恵みがありますように!
インドなど治安があまり良くないとされている国では特に見知らぬ人について行ったり、車に乗ることは避けた方がいいですね。もしよく知っているインド人の友人がいれば一緒に行動をするのが安全です。特に女性は、自分の身を守る為にも街中では露出を控え目にすることをお勧めします。