私の足を踏んだ英国紳士サラリーマン
Nicolaston さん
2024/02/27 投稿
ロンドン初日のこと。
初めてのイギリスで右も左も分からず、
スマホを片手に街をうろうろしていました。
パディントン駅の近くで立ち止まってスマホをいじっていると、
曲がり角からサラリーマン風の男性が現れました。
小さい日本人(私)に気づかなかったのか、私の足をぶにっと。
びっくりして顔を上げると、あちらもびっくりした顔で見つめ合うこと1秒。
次の瞬間には「ソーリー!ソーリー!」の言い合いに。
最後には、あちらが私の肩に手を置いて、「It's me!」で笑い合いました。
さらに、私のカバンについていたポケモンのキーホルダーを見て、
「これ、ポケモン?」と聞いてきました。
私は英語が得意な方ではないので
「イエス」と「アイムジャパニーズ」しか返せなかったのですが、
彼はニコニコしながら数語話してくださいました。
ほとんどは早口で何を言っているのか理解できないのですが、
「ポケモンって日本なんだ!」、
「あなたは日本から来たんだね!」など、
肯定的なことを言っているんだなとは理解できました。
そこまで長話をすることもなく離れ、
「いい人でよかったな」と一安心。
ところが、そのあとでふと、「あれ、これスリかも」と思い直す私。
旅行に来る前、グルのスリは、
一人がターゲットに話しかけているうちに
もう一人の仲間が貴重品を盗む手口が流行っていると聞いていました。
これはやられたかもと、急いでカバンを見直すと、
チャックは開けられておらず、ポケモンもしっかりそこに。
ですが、プロのスリは抜き取ったあとにチャックを閉めると聞いていたので、
そこで安心せずに中を開けることにしました。
すると、なんということでしょう。
何も取られていなかったのです!
私は、ただいい人を疑ってしまっていたのです。
一人旅だったので用心することに越したことはないですが、
疑わなくていい人を疑ってしまう余裕のなさに、
もう一度落ち着いて自分を見直そうと考えました。
取られないようにしっかり準備し、
取られても大丈夫な用意や、取られた後の行動をシュミレーション。
そこまで準備したことで、
以後のイギリスを落ち着いて行動することができるようになりました。
その後は、
話しかけてくれた人や関わってくれた人と心から笑顔で話せました。
イギリス人は皆親切で、
こちらが困っていることに気付けば、
仏頂面のおじさんでさえ何とかしようとしてくれる人が多くて感動!
最初の男性を含め、素敵な人たちだったなあと思っています。
ちなみに、踏まれた足は全く痛くありませんでした。
緊急事態のための事前準備はしっかりしておくことで少しは安心できますよ。