チチカカ湖で見た絶景と私を救った一本の草|みんなの旅話

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チチカカ湖で見た絶景と私を救った一本の草

ノン さん

2023/07/17 投稿

 

2014年2月から3月にかけて約1か月間、
メキシコ、キューバ、ペルー、ボリビアの四か国を旅しました。

ペルーのマチュピチュからボリビアのウユニ塩湖へと繋がる観光ルートは、
南米を旅するバックパッカーにとっては黄金ルートとも呼ばれ、
たくさんの旅人が地元の人達に混ざって行き交っています。

私自身もマチュピチュ村で見かけた欧米人バックパッカーに
数日後ボリビアで偶然ばったり出くわした時は、
同じ旅人として親近感がわき、なんだか嬉しくなったことを覚えています。

そのペルーとボリビアの国境にあるプーノという街の、
目の前に広がる古代湖として有名なチチカカ湖のツアーに参加した際の話です。

チチカカ湖は、琵琶湖の12倍以上の広さで
標高3,800メートル以上の高地にあります。

高山病対策として、ペルーに入国した時点で予防薬を服用していたため、
体調を崩すことはありませんでしたが、
頭の中が圧迫される感覚や普通に歩くだけでも、
すぐに息が切れてしまう状況の中旅を続けていました。

そして先住民が暮らす島へ船で着き、
小高い丘を登ったところで、住民が湖で獲れた新鮮なマスを使って
昼食をふるまってくれる予定だったのですが、
丘を登り始めた途端、思うように歩けなくなってしまったのです。

酸素の薄さに体がついていかず、吸っても吸っても
酸素が体に入っていきません。

次第に呼吸が荒くなり気持ちが焦り、立ち止まって呼吸を整えようにも
酸素が吸えないため、ちょっとしたパニックを起こしそうな状況に恐怖を感じ、
他のツアー客が丘をすいすい登っていく中船まで、
引き返そうかと諦めかけていました。

ツアー客の一人は、丘に登ることも昼食も早々に諦め
船で待機していました。 

するとガイドの男性がやってきて、その辺に生えている草を1本抜き
「これを鼻に充ててゆっくり呼吸してごらん」
と言って渡してくれました。

半信半疑でやってみた瞬間、一気に鼻からスーッと酸素が入り、
まるでそれまでの何倍もの濃度の酸素が体に染み渡るような感覚でした。

体の細胞が生き返ったように軽くなり、
まさに命綱の如くその草を握りしめながら少しずつ歩き始め、
少し遅れたものの無事丘を登り切ることができました。 

その草の名前は知ることはできませんでしたが、
強いミントのような香りで、嗅いだ瞬間鼻にすーっと抜ける不思議な草でした。

そして命がけで登った先に見た湖の絶景や、
微風が心地よく吹く中、皆で食べたマス料理のおいしさは
まさに格別でした。

写真はその時の写真です。
ガイドさんに助けられ、一本の草に助けられた忘れられない旅の思い出です。

晴れ渡る空と、目の前に広がるチチカカ湖の絶景。
今自分が立っているここは、富士山よりも高い所で
そんな高地にこんなでっかい湖が広がっている、ということ。

そこに一本の草を握りしめ、文字どおり息も絶え絶えに
なんとか辿り着きこの絶景を見られている、
ということをしみじみかみ締めながら

ここで目にした体験したすべてのことを記憶に焼き付けました。

旅トクアドバイス

南米を旅する際は、情報収集をしっかりしたうえで旅をすることをお勧めします。先進国の旅とは勝手が違います。特に高地を旅する場合は高山病対策などは必須です。旅中、高山病に苦しんでいる日本人観光客を何人も目撃しました。そしてマチュピチュ~ウユニ塩湖の旅ルートはおすすめです!すべてが圧倒的刺激的です。