台湾茶とお爺さん
necoaruki さん
2024/03/07 投稿
台湾を初めて一人で旅した時のお話しです。
私はガイドブック片手に台北の街並みを気ままに散策し、
せっかくならと美味しい台湾茶が頂ける場所を探すことにしました。
勇気を出して通りすがりの人におすすめのお店を尋ねると、
親切にお店の場所の地図を紙に書いてくれて手渡してくれました。
せっかくの地図でしたが、幼い頃から方向音痴な私は、
その地図を上手く見ることが出来ずすっかり道に迷ってしまいました。
途方にくれていたところ、一人のお爺さんが声をかけてきました。
そのお爺さんは私が手に持っていた地図を眺め、
こっちこっちと誘導してくれました。
不安になりながらも親切なお爺さんについて行くと、
目の前に素敵な雰囲気の茶房が出てきました。
お爺さんのお陰で地図に書かれた茶房に辿り着くことが出来、
私はお爺さんにお礼を伝えて中に入りました。
中に入るとお婆さんがにっこり笑って出迎えてくれ、
すぐに気持ちが和らぎ、そのまま窓から外が眺められる席に案内してくれました。
メニューを渡されましたが
初めてのことでメニューの見方もわからず、
どのようにオーダーをしたらよいのか、
どんな茶葉を選んだら良いのかわからない私に、
お婆さんは丁寧に台湾茶の種類を教えてくれました。
無事おすすめの茶葉をオーダーし、
待っている最中にのんびり外を眺めていると、
木々の揺れる音や心地よいそよ風、太陽が心地よく当り、すっかり癒されていました。
お茶が到着すると、お婆さんが最初の一杯を丁寧に入れてくれ、
それはとても香りが良く美味しくて、一杯の台湾茶で最高に幸せな気分に。
暫くすると、先程の道案内のお爺さんが近くに来ました。
私はビックリして何故ここに居るのかを尋ねると、
なんとお爺さんは茶房の店主であるお婆さんのご主人だったのです。
お爺さんはニコニコしながら茶葉の歴史や栽培方法、
そして茶文化について熱く語ってくれ、
私はその話しに聞き入りながら時間をすっかり忘れてしまいました。
彼の語る台湾の茶の世界に触れることで、
その土地の文化や人々の暮らしに少しずつ理解が深まっていきました。
お爺さんのお話しのおかげで、台湾の旅がさらに興味深く楽しいものとなり、
初めての台湾茶とお爺さんとの出会いは、今でも私の心に残り続けています。
行き当たりばったりな自由気ままな旅でしたが、
そんなゆとりが素敵な場所や人々との出会いに繋がり、
その素敵な思い出は私の人生の宝物です。
まだまだこれからも沢山の国を旅して宝物をいっぱい集めたいと思います。
旅をするなら自由気ままに