ニューヨーク・ニューヨーク
Tom Cruise さん
2021/02/25 投稿
ニューヨークについて
(1)人種のるつぼ(人間の価値の小ささ、しかし生きている)
バスでNYに近づいてくるとなぜか気が滅入ってくる。
街が大きいだけ人間の存在が小さく見えてしまう。
いろんな人種の人たちが入り混じっている。
街もあまり秩序を感じさせず、東京でもそうだが妙に落ち着かない気持ちになる。
みんな大都会であくせく生きているように見える。
富める者も貧しい人々もごちゃまぜに。てんでバラバラに。
また、都会だからこそ成り立つ職業の人々も多い。
本来生きるためにはあまり必要としない領域、つまり芸術の分野で多くの学校が存在し、
それを生業にしている人も多い。大都会の特徴であろう。
しかしそれは否定できない。私はブロードウェイミュージカルを楽しんだのだから。
(2)ロックフェラーセンター(現代のバベルの塔) ロックフェラーセンターの中心、
超高層ビルコムキャスト・ビルディングの展望台
「トップ・オブ・ザ・ロック」は、このビルの最上階にあたる地上70階にあり、
360度に広がるマンハッタンの摩天楼を眺めることができました。
世界一の国の世界一の都市でアメリカの富の象徴のようにみえます。
しかし逆にこれほど文明を進ませていいものかと不安にさせます。
人間の文明が自然の摂理に逆らってどんどん発展していく、限界が見当たらない。
旧約聖書、創世記の中に出てくるバベルの塔のように、
いつかひどいしっぺ返しが来るのではないかと危惧します。
(3)ロックフェラーセンターのスケートリンク(ああ、アメリカ映画)
NYはアメリカ映画ファンにはたまらない魅力を持っています。
いたるところに映画の舞台があり、多くの映画を思い出させます。
ガイドさんもいつでも映画のロケを見かけますよと教えてくれました。
それほどこの町は映画が多く撮られているようです。
ロックフェラーセンター前のスケートリンクは特に感慨深いものがありました。
「セレンディピティ」というお気に入りの映画の舞台になっていた場所でしたから。
しかし、もしこれが東京の真ん中にあるとすると大変な混雑が想像されますが、
ここは大NYにありながらいつもゆったりとしているように見えます。
不思議だ。 余談ですが、
私たちの滞在したウェリントンホテルの近くにあのカーネギーホールがありました。
実際はうっかり通り過ぎてしまうような地味な建物でしたが、
これが「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」の舞台かと思うと感慨深いものがありました。
(4)国連本部(理想と現実のジレンマ) 国連本部では案内の御嬢さんから説明を受けましたが、
説明も掲示物も世界の平和を希求するメッセージを感じました。
国連は持続可能な開発目標(SDGs)を掲げ、貧困に終止符を打ち、地球を保護し、
すべての人が平和と豊かさを享受できるようにすることを、
目指す普遍的な行動を呼びかけています。
また、気候変動や難民の問題もクローズアップしていました。
この国連の取り組みが効果をあげてくれることを望んではいますが、
いざ現実に目を向けたとき、各大国の及び腰が露呈して実現を阻んでいるように感じました。
国連で演説した少女たちセヴァン・スズキさんやマララ・ユスフザイさんの
あの感動的なメッセージはいまだ実現しません。
国連の理想と各国の現状との乖離にため息がでます。
国連頑張れ! 国連本部にはいろいろな各国からの贈り物やモニュメンがあり、
どれも造形的に面白いものでした。
なかでもシャガールのステンドグラスは驚きました。
まさか国連でシャガール作品にお目にかかるとは思いもよりませんでしたから。
しかし一部破損している部分があって残念でした。
(5)ブロードウェイミュージカル(本物の実感) NYに2泊するので、
この機会に夜はブロードウェイのはしごときめこみました。
二晩かけて「シカゴ」と「ライオンキング」を観てきました。
一日目の「シカゴ」はオーケストラ席の前から4列目だったので、
キューバ・グッディング・ジュニア(映画ではリチャード・ギアの役)が5m前で見られました。
演者みんな素敵でしたが、特にロキシー役が魅力的でした。
二日目の「ライオンキング」も演者、演出、舞台構成すべてが素晴らしく、
大劇場ながらこの日も満員でした。ロングランは当然に思えました。
(6)タイムズスクエア(不夜城、光に集まる虫)
舞台終わりのタイムズスクエアも不夜城のごとく賑わっていました。
こんな夜に人をよけながらホテルに向かわなければなりません。
いったい何が目的でここに人々は集まってくるのか。
人が集まるから人が集まるのだろうとわけのわからない理由を考えてみましたが、
ひょっとしたら真実かもしれません。
人間は都会にいると寂しいのでしょう。
ニューヨークに行ったならばブロードウェイでの観劇をおすすめします。いろいろなところでいろいろなミュージカルを上演しています。