特別なチップ|みんなの旅話

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特別なチップ

トモ さん

2022/04/05 投稿

 

24歳の時、それまでずっと憧れていた海外生活をする為、仕事を辞め、
単身オーストラリアのブリスベンへ1年間の語学留学へ行きました。  

オーストラリアでの生活は毎日が刺激的で楽しく充実していましたが、
物価が高く、節約生活の毎日でした。

その為、生活資金プラス旅費を稼ぐ為、語学学校に通いながら、
日本食レストランでウェイトレスのアルバイトを始めました。

私が働いていたレストランは高級レストランで、
毎日非常に忙しく、スタッフも皆ピリピリ。
裏では怒号が飛び交うことは日常茶飯事で、私もよく怒られていました。  

ある日、いつものようにオーストラリア人のオーダーを取り、
注文された料理を配膳すると「これは頼んだ料理じゃないわ。」と言われました。  

日本ですとすぐに「申し訳ございません。」と謝り正しい料理を準備しますが、
私が働いていた店特有なのか、海外では当たり前なのかはわかりませんが
「オーダーを繰り返して確認をしましたよね?」と言い返すのが当たり前でした。  

日本人的感覚だと、そんなことを言われるとカチンとくるものですが、
オーストラリアの人は、怒ることなく「そうね。」と受け入れてくれました。

逆にその反応に申し訳なく思った私は、
「間違っているのであれば取り替えます。申し訳ございません。」と伝えました。  

すると「取り替えることであなたは怒られるの?そんなに申し訳なく思わないで。
私これ食べてみるわ。ほら、美味しそうだし。」とフォローしてくれたのです。
私はもう申し訳なさと共に、感謝の気持ちでいっぱいでした。  

そして営業時間が終わり、片付けをしているとフロアマネージャーが私を呼び、
「はい、コレ。」と12ドルのチップを渡してくれました。

チップはいつも週末にまとめて渡されるので、週中頃に渡され不思議そうにしていると、
「今日○卓で△▲を頼んだお客さん覚えてる?その人が
「あの子すごく頑張ってるから、コレ渡してあげて。」って言ってくれたよ。」
と教えてくれました。  

料理を間違って迷惑をかけた私をフォローしてくれた上に、
マネージャーにそんなことを言ってくれてたなんて、本当に感激でした。
人の在り方を考えさせられた瞬間でした。

マネージャーに「違うんです。実は...」とその日の話をすると
「そっか。良いお客さんに出会えたね。これからも頑張ろう。」と言ってもらえました。

その時にいただいたチップは、他のお金とは別に保管し、
私の両親がブリスベンまで遊びにきてくれた時に、
両親の為に使わせてもらいました。

旅トクアドバイス

物価が高いオーストラリアですが、買い物の仕方次第では、日本より安くつくことも。例えば、決まった曜日に決まった場所でマーケット(青空市場)が開かれます。終了間際に行くと、フルーツや野菜が激安に!マンゴーやアボカドなどが2個で1ドルなんてことも。またダイニングバーでは決まった曜日はステーキが5ドルで食べられたり、映画も5ドルで観れたり。語学学校通いの日本人は割と皆そうやって工夫して過ごしてました。