水口博也さま特別インタビュー

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海外撮影から帰国されたばかりの水口さま。クジラやイルカなど海の生き物たちのお写真を撮っておられて、今までに何十冊もの雑誌や本を出版されています。インタビューの翌日からは北海道へ行かれるということで、お忙しい合間を縫ってお話をお聞かせいただきました。

水口様プロフィール用写真

水口博也さま

「オルカ アゲイン」で講談社出版文化賞写真賞受賞。写真絵本「マッコウのうた しろいおおきなともだち」で第5回日本絵本大賞受賞。1年の半分は海外で活動し、残り半分を日本で出版・DVD制作を行う。

http://www.hiroyaminakuchi.com/top.html

手作り感が好き

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本日はどうぞよろしくお願いします!

お忙しいなか本当にありがとうございます!

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よろしくお願いします。実は友達が(ドルユーロのことを)教えてくれたんです。お金を扱うのでネットという心配もしましたが、御社の手作り感がいいなと思いました。

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わーありがとうございます!実はインタビューにあたって「クジラと海とぼく」を読ませていただいたのですが、この中でも小さい頃に水中カメラや、いろんなものを手作りされていたエピソードがありますよね。

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今でも作ってるんですよ。水中ハウジングなんかはものすごく高いんですよ。量産されないことと、市販品なのでカメラの全機能をつけた複雑な作りで、カメラより高いんです。でも水中でその機能はほとんど使わないから最低限の機能で自分で作っちゃいます。 市販のハウジングの中古品を安く買って、そこからパーツを外して使うことも。もともと30万円くらいしたハウジングでも、古い中古品なら3000円くらいで買えることもありますし。

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すごい!!30万円が3,000円は魅力的です!!

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ちなみに今朝もひとつアクリルを接着してきました(笑)明日から使います。

クジラと海とぼく

「クジラと海とぼく」

水口さまが海や海の生き物に興味をもつきっかけとなった徳島県でのエピソードや、研究者を目指した大学時代のこと、そして写真家になろうと思わせた沖縄での出来事…そのすべてを美しい挿絵とともに楽しむことができます。 お子さんでも読みやすく、やりたいことを仕事にするにはどうしたらいいのかといったヒントも得られるような作品です。しろさんの絵も本当に素敵です!私が大学生だった頃に読みたかったです。

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▲ さいとぅが読んだ水口さまの作品 ▲

被写体の想いを象徴する

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一介の両替屋なので初心者すぎてお恥ずかしい質問ですが、ジャーナリストやカメラマンというとどういったお仕事をされるんでしょうか?

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お仕事なので(写真を)お金にしなければいけないですよね。その方法には2タイプかあって、自分が好きなものを作って売るか、依頼されたものを作るか。後者は食いっぱぐれないんですけど、前者ははっきり言うときついです。 僕たちの世代は動物の写真はまだ少なかったので割と売れました。だからその時に相当撮りましたし、人脈もできてる。でもおそらく今の若い世代がこういう仕事につきたいと言ってもまず100%無理です。

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自分の好きで撮ったものはどうやってお金に変えるのですか?

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一番メインはいろんなエージェントさんに写真を預けることです。その預けた写真がメーカーさんや印刷会社さんでポスターなどに使われたらそのコミッションをいただくということです。でも今はたくさんの写真が出回っていますよね。

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ネット上のフリー素材なんかもいっぱいありますよね。

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そうなんです。だからその単価はすごく低くなってきているのが現状です。そしてもうひとつの柱は、本の出版ですね。ただこちらも元気がなくなってきていてとても難しくなっています。

インタビューの様子

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その厳しい環境の中、こうしてたくさんの本を出版されているのは本当にすごいことなんですね。実はブログも拝見したのですが、最近はモノクロ作品をたくさん撮影されているのですか?

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ここ2~3年よく撮るようになりました。もともとモノクロが好きだったんです。フィルムの時代には暗室で現像するのも楽しくて。でもデジタルになってからものすごくつまらなくなったんです。本来モノクロってカラー以上にカメラもレンズも解像度がめちゃくちゃ要るんです。

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ええーそうなんですね!

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で、ようやく今の良い機械を使うと思っているモノクロにできるようになってきたんですよ。だから、獣の表情とか、毛やヒゲの一本一本まで緻密に描写できる。こうした作品を大きくのばしてみたいと思います。

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モノクロ作品の方が形がしっかり表現できるのですか?

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もう強烈に。自分の思ったものが、特に光と影がものすごく強烈に出せます。人間のポートレートってモノクロの方がよく出せるんです。それはなぜか。例えばこの女優さんがきれいだというとき、その理由が色である要素って割と少ないんです。 もっと形であったり、凹凸であったり。モノクロの方がそれを強烈に、ほかのものに邪魔されずに写せるんです。もし背景に強い色があってもモノクロなら(被写体を)しっかり表現できる。被写体の想いも象徴するし、撮る側の想いも象徴できるんです。

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それは是非見てみたいです!

写真家として大切にしていること

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写真家としての信念のようなものはお持ちでしょうか?

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ひとつは特にここにきて言わないといけないのは、自然をどう扱うか。要するに自然を撮るには、少なくともその自然を痛めることになりますし、あるいは動物を驚かせます。

僕たちのはじめた40年くらい前は(まだその生態の知られていないことも多かったので)それを伝えることで多くの人の理解を進めることができました。情報を集めることで自然とつきあうことに慣れさせる力がありました。

でもここへきて写真にそこまでの力があるんだろうかと思うんです。撮らないことの方が自然のためになるともいえる。とはいっても撮るなということは難しい。だから少なくとも撮る人間はこのことを知っていることが必要だと思います。

南極の風景

▲ 水口さまが撮影した南極の風景 ▲

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もうひとつは、そうして撮った以上はそれを財産として誰もが共有できて、楽しめるものとして、学べる材料として、使えるように流用したいと思っています。そういう意味ではSNSで共有することは決して悪いこととは思わないです。 僕らはそれをさらに「超えている」と思ってもらえる写真を撮らなければいけません。例えば、地獄谷の温泉猿をご存知ですか?

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はい、温泉につかる可愛いサルたちですよね。冬場によく見ますね。

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一時期あのサルたちをワイドカメラや魚眼レンズでかなり近い距離で撮影する人が増えたんです。もうサルたちも嫌がるくらいの距離で。それもひとつの表現方法なので頭ごなしにダメとは言えないけど、じゃあ僕らは何ができるのか。

ひとつは、たとえば遠景のなかの雰囲気のある動物のたたずまいを、みんなが「こんな写真を撮りたいよね」と思うような作品にすること。動物にまったくインパクトを与えずにいながら、みんなが憧れるような写真を撮ることが、僕たちの課題だと思っています。

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か、かっこいい…!!さすがプロですね。

それぞれの人を幸せにできるんじゃないか

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今後はどんなものを撮っていきたいですか?

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ひとつはシャチです。動物として一番好きなのがシャチなんです。

シャチってほかの魚みたいに回遊しているわけじゃなくて、ひとつの海に定着して住んでいるんです。そうするとそれぞれの海の環境に適応して、それぞれの暮らしをしていて。つまり違う文化を持っているんです。 だからシャチがどういう動物かというのは、そこの海によって違うんです。そうした彼らのそれぞれの暮らしを見て、記録していきたいと思っています。

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ええ!!同じシャチでも生態が違うなんて面白いですね。

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それからもうひとつは、「写真で自分の想いを伝えるとはどういうことなの?」という、そういうおおもとの仕事をするのもいいなと考えています。写真というメディアが人間をどう幸せにできるか、そういうことに頭をまわすのもいいなと。

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おおー!素敵ですね。

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だから最近は紅葉とかも友達とよく撮りにいくようになりました。福島のあの事もちょっときっかけなんですが、今まではクジラやイルカをバリバリ撮っていたけどひょっとしたら桜の風景だったり紅葉の風景だったり、 日常のなかの美しい光景を自分なりの視点で作品にすれば、もっと多くの人に楽しんでもらえる、極端にいえばその瞬間でもそれぞれの人を幸せにできるんじゃないかと思ったんです。

世界で一番美しいペンギン図鑑

「世界で一番美しいペンギン図鑑」

2018年6月7日リリース。ワイルドライフ写真家として高く世界で評価され、南極やフォークランド諸島、サウスジョージアなど亜南極の島じまでペンギンを長く撮影している水口博也と同様に精力的に撮影活動をつづける気鋭の写真家、 長野敦の写真を中心に、世界中のペンギン類のすぐれた生態写真200点以上を一堂に集めた、見るごたえある1冊。(出版社より)

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▲ 水口さま最新の作品 ▲

インタビューを終えて・・・

お忙しいなか終始笑顔でインタビューに応えてくださった水口さま。その朗らかな雰囲気とは違い、写真に対する想いは真摯で奥底からわきあがるような熱い想いを感じました。

動物を撮影するにあたっていかにネガティブなインパクトを与えずに撮影するか、そういった作品が主流になることで今よりもっと動物の環境を守り、もっと良いものが撮れるのではないか。 それこそが本当に美しい作品かもしれないと私たちも感じるようなお話でした。

写真家としてもまだまだチャレンジの姿勢を崩さない水口さま。今後のご活躍がまだまだ楽しみです。水口さま、この度はインタビューのご協力ありがとうございました。

水口様

▲ 左:ふかつ  右:水口さま ▲

世界とつながろう!懸け橋プロジェクトについて

世界とつながろう!懸け橋プロジェクトは、世界で活躍する方を応援し、日本と世界の懸け橋になることを目指すプロジェクトです。世界へ羽ばたく方、これから羽ばたこうとしている方に、広報チームがインタビューをしてその夢を語っていただいています。

ふかつ

ふかつ
広報チームリーダー。普段は弊社サイト制作を担当。今行きたい国はフランス!サッカーが大好き。

さいとう

さいとぅ
広報チームとして活動中。カナダに留学経験あり。今行きたい国はチェコ!一人海外旅も好き。

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