香港旅行で現金は必要?現地目線で分かる香港ドル両替のポイント

日本から飛行機で約5時間。アクセスの良さに加え、異国情緒あふれる街並みや映画の撮影地にもなったモンスターマンション、香港ディズニーランド、さらにマカオへも日帰りで足を延ばせる香港は、短い日程でも満足度の高い旅行先です。
私は過去、バックパッカーとして世界一周を経験し、これまで約40カ国を旅してきました。その中でも香港は、海外旅行初心者の方から、韓国や台湾の次の旅先を探している方、さらには既に旅慣れている方まで、幅広くおすすめしたい都市だと感じています。
香港含め海外旅行で意外と悩むのが、「現金は持って行った方がいい?」「実際いくら用意すればいい?」ということではないでしょうか。
香港は金融市場も活発で、一見すると全てキャッシュレスで対応できそうに思われがちですが、実際に旅をしてみると、現金じゃなきゃダメという場面に遭遇しました。さらに、私自身、香港旅行でのトラブルの際には現金が保険となり、最後まで旅を楽しむことができたんです。
この記事では実体験をもとに、
- 香港では本当に現金が必要なのか
- 現金が必要になる場面
- いくら両替しておくと安心なのか
- 香港ドルを両替するおすすめの方法
について、海外旅行初心者の方にも分かりやすくご紹介します。香港旅行をより楽しむためのTipsはもちろん、実際に現地でトラブルに直面したからこそ分かった注意点も紹介していくので、参考になれば幸いです。
香港旅行で現金は必要?2026年最新のキャッシュレス事情
香港ではキャッシュレス化が非常に進んでいます。特に多くの人が利用しているのが、香港版の交通系IC「オクトパス(八達通 / Octopus)」です。

香港市民の98%が保有しているとも言われ、MTR(地下鉄)やバスなどの交通機関はもちろん、コンビニやスーパー、ショッピングモール、カフェ、自動販売機など、日常生活のほとんどをオクトパスで支払いできます。
実際に街を歩いてみても、多くの香港市民がスマートフォンやオクトパスカードをかざして支払いをしていました。
私も、海外旅行客用のツーリストオクトパスを購入。地下鉄やバスの運賃は21.5香港ドル、4.8香港ドルなど細かな金額が多く、いちいち小銭を数える必要がなくなるだけでも、旅がとても快適になります。
一方で、最先端の金融都市でありながら、昔ながらの市場やローカル文化が色濃く残っており、その両方を楽しめるのが香港の魅力です。だからこそ、「キャッシュレスだけでは少し心もとない」と感じる場面が旅の中で何度かありました。
表通りの近代的なエリアに対し、一歩路地に入ったローカルなエリアでは現金のみしか使用不可という、この二層構造を知っておくだけで、現地での戸惑いはかなり減らせるはずです。
香港では現金がなくても困らない場面
実際の場面に当てはめて見ていきます。
ビクトリア・ハーバー周辺や中環(セントラル)など、アジア屈指の金融街として近代的で洗練された街並みを旅する分には、オクトパスやクレジットカード決済など、キャッシュレスでほとんど困りません。

例えば、次のような場所です。
- MTR(地下鉄)、バスなどの交通機関
- コンビニ
- ショッピングモール
- ホテル
- 観光施設
- チェーン系レストラン
- タクシー
私も旅の目的のひとつとして香港ディズニーランドを訪れましたが、施設内の支払いはすべてキャッシュレスで完結し、現金を一度も使いませんでした。近代的なエリアだけを綿密に練られた行程に沿って訪問するのであれば、「香港は現金不要」と言っても過言ではありません。

また、香港ではUberやHKTaxiなどの配車サービスが普及し、タクシーを呼び、金額を確認しながら利用、決済まで行うことが可能です。荷物が多かったり、現地でタクシーを使用する予定がある方は事前にアプリのダウンロードもしておくと安心です。
ちなみに、海外旅行ではチップが求められる場合もありますが、香港では基本不要です。
香港で現金が必要になる場面

しかし、せっかく海外に来たし香港らしい旅をしようと思うと話は変わります。
一本通りの裏側に広がる、まだまだ観光地化されていない古き良きレトロな香港エリアも魅力のひとつで、そうしたエリアは対応が現金のみ対応ということが少なくありません。
夜市・ローカルマーケット
旅行なら、現地ならではのアクティビティを楽しみたいですよね。私は、旺角の女人街(レディースマーケット)と廟街夜市(テンプル・ストリート・ナイト・マーケット)の2つを楽しんできました。

ずらりと並ぶ露店を歩きながら掘り出し物を探し、お店の人と値段交渉をする時間は、日本では味わえない、自分ならではの旅としての香港ならではの魅力でした。こうしたお店の支払いは現金オンリーがほとんどです。
本音として、値段交渉をしている雰囲気の中でカードを渡すこと自体、少し気が引ける場面もありました。現金でのやり取りだからこそ生まれる会話や値引きがある、というのが実感です。
茶餐廳(チャンチャンテン)やローカル食堂・個人経営のお店
香港グルメを楽しむなら、昔ながらの大衆食堂である茶餐廳も外せません。ローカル色が強いお店ほど現金のみの場合があり、特に朝食やランチで利用する際は現金を持っていると安心です。
個人経営の小さな雑貨店やお店も同様で、カード端末自体を置いていない店は珍しくありません。こうした店ほど地元の人に長く愛されている味だったりするので、現金がないという理由だけで諦めてしまうのはもったいないと感じます。
マカオへの半日旅行

香港旅行でぜひおすすめしたいのがマカオです。
香港からバスやフェリーで約1時間。イギリス領であった香港に対し、ポルトガルから返還されたマカオはまったく異なる街並みで、見比べるのも楽しい旅先です。
香港・マカオ間をつなぐ港珠澳大橋(ゴンジューオウ ダーイキウ)は、水平線に向かって果てしなく伸びる世界最大級の橋。そこからの景色は圧巻で、バスでの移動も感動に溢れています。

実は香港ドルはマカオでも使用できます(一方で、マカオの通貨パタカは香港では使えません。ちなみに、オクトパスもマカオでは利用不可)。パタカへ両替しなくてもそのまま旅行できるのは非常に便利で、私もマカオのローカルグルメやバス移動で香港ドルの現金を使いました。

マカオのローカル店も現金対応が基本のため、香港側で少し多めに両替しておくと、マカオ日帰り旅行がぐっとスムーズになります。
オクトパスカードのチャージトラブル
そして香港旅行で、最も「現金があって良かった」と実感したのが、オクトパスの度重なるトラブルです。
実は、日本で事前にアプリ版オクトパスへ登録しようとしたところ、最初のクレジットカードでは登録できませんでした。カードの種類を変更したことで無事に登録・チャージができ、「これで安心」と思って香港へ向かいました。
ところが現地に着いてから追加入金をしようとすると、今度は決済エラーが発生。別のカードに変更しても改善せず、MTRの窓口(客務中心)で相談しましたが、原因は分かりませんでした。スタッフの方はとても親切でしたが英語があまり得意ではなく、翻訳アプリを使いながらの会話に。オクトパスの会社に電話までしていただきましたが、それでも解決できず。
頼みの綱がクレジットカードしかなくなった状況で、正直なところカードを使うこと自体が少し怖くなってしまったり。もし現金がなかったら、あのままカードだけを頼りに旅を続けるか、あるいは移動や食事のたびに不安を抱えることになっていたと思います。幸い香港ドルを両替していたため、現地でICカードタイプのオクトパスを現金で購入し、事なきを得ました。
海外旅行で現金を持っていることは保険になる
香港とは別のタイミングで、海外旅行中にスマートフォンを落として壊してしまったこともあります。スマホが使えないということは、地図、翻訳アプリ、ホテル予約など、多くの情報を一度に失うことに直結します。そんな時でも現金さえあれば、とりあえず情報が得られそうな場所に電車で移動したり、飲み物を買って落ち着くこともできました。
トラブルがないに越したことはありません。ただ、突然起きるのが海外旅行です。
それでも海外旅行が好きでいられるのは、現金をいつも持っていて「現金も保険になる」ということを、何度も実感してきたからだと思います。海外では現金は支払い手段ではなく、安心を買う保険にもなっています。
香港旅行では香港ドルをいくら両替すれば安心?
香港の物価は日本より高めです。
商品にも寄りますが、私の体感では日本の1.5〜3倍程度で、日本で100円程度で売っていそうなコンビニのゆで卵やちょっとしたスイーツ、カップラーメンが200円~300円で、価格差に驚く場面もありました。
いくら両替するのがよいか、目安となる金額を旅のスタイル別にまとめます。参考にしてみてください。

一人旅・友人旅行の場合
1人あたり10,000〜30,000円程度が目安です。夜市やローカルマーケット、マカオへの半日トリップ、万が一のトラブル対応まで含めて、これくらいあれば大きく困ることはないでしょう。友人旅行の場合、屋台での買い食いをシェアすることも多く、細かい現金でのやり取りが発生しやすいので、なるべく小額紙幣を多めに持っておくと会計時にもたつきません。
家族旅行の場合
30,000〜50,000円程度あると安心です。お子さんや高齢の親御さんが一緒だと、飲み物や軽食など小さな支払いが積み重なる場面が増えます。家族分をまとめて支払えるよう、少し多めに準備しておくとよいでしょう。両替の際は、家族で分散して持っておくと、万が一どこかで紛失した場合のリスクを抑えられます。もちろんすべて使い切る必要はなく、「余ったら次回の香港旅行で使う」「帰国後に再両替する」という選択肢もあります。
出張の場合
ビジネスで渡航される場合、ホテルやレストランはキャッシュレス対応のお店を利用することが多いため、現金は最低限でも十分だと想定されます。出張の合間にローカルなお店やショッピングを楽しむ予定がある場合は、少し余裕を持たせておくのが良いかもしれません。目安として、交通費やちょっとした支払い用として10,000円程度を用意してみてはいかがでしょう。
香港で香港ドルを両替するならどこがおすすめ?
海外旅行に慣れていない方は、日本国内である程度両替しておくと、現地で慌てずに済みます。店舗での両替以外にも、店舗での外貨両替専門店や実績豊富で優遇レートを扱う宅配外貨両替サービスを利用するのもひとつの手です。
空港での両替

日本側の空港で両替すると、100香港ドル札など大きな紙幣が中心になりやすく、到着直後は使いづらい場面があります。香港の空港で両替する場合は、細かい支払いが多いため小額紙幣を混ぜてもらうと便利です。
「空港はレートが悪い」とよく言われますが、実際その側面はあります。安全性を優先したい方にはおすすめできる一方、深夜便で到着する場合や、なるべくお得に済ませたい方などは、他の方法も検討してみて良いかもしれません。到着ロビーの両替所は行列ができていることもあるので、予定に余裕を持たせておくと安心です
銀行での両替
かつては多くの銀行で外貨両替を行っていましたが、現在は取扱いが銀行によって様々です。平日日中の限られた時間のみ対応というケースも多いため、利用する場合は事前に取扱いの有無を確認しておくと手戻りが少なくなります。
近所の支店で取り扱っていないことも珍しくないので、両替目的で銀行を利用したい場合は、外貨両替の専門窓口があるかどうかを電話やウェブサイトで確認してから向かうのがおすすめです。
香港市内の両替店

現地でも、観光客が多いエリアには、両替店が集まっています。裏路地の店舗では空港よりレートが良いと掲示している店舗も多くあります。なお、店舗によってレートや手数料が異なるため、「表示レート」だけでなく、最終的に何香港ドル受け取れるかまで確認してから両替するようにしましょう。
また、店頭に大きく表示されたレートに釣られて、実際の受取額を確認しないまま両替してしまうと、後から「思ったより少ない」と感じることも。敢えてそういった面も楽しみたいという方や旅慣れた方、バックパッカー以外は利用を避けてもよいかもしれません。
ATMキャッシング
クレジットカードの海外キャッシングを使えば、為替レートだけで見れば有利になるケースもあります。ただ私自身は、海外旅行であまり積極的には利用していません。理由は、海外ATMにはスキミングやカードの取り込み、故障でカードが返ってこないといったトラブルがゼロではないから。実際に旅を中断せざるを得なかった知人を過去見たこともあります。
香港は比較的治安の良い都市ですが、「ATMが使えなかったらどうしよう」と不安を抱えながら旅行するより、あらかじめ安全な場所である程度準備しておくほうが、気持ちに余裕が生まれます。海外旅行中の安心は買えることが多く、「安心して旅行を楽しめること」とのバランスも考えながら手段を選んでいきましょう。
重慶大厦(チョンキンマンション)の両替所は本当におすすめ?

「香港 両替」と検索すると、必ずと言っていいほど出てくるのが『重慶大厦』。
大きなバックパックを背負い、低予算で自由に旅する個人旅行者が集まる、いわば安旅の代名詞のような場所。沢木耕太郎さんのバックパッカーのバイブル的紀行小説『深夜特急』の舞台にもなっています。
館内には数多くの両替店が並び、店舗同士が価格競争をしているため、レートは香港でもトップクラスとも。エレベーター前には世界中の旅行者が集まり、さまざまな言語が飛び交う独特のカオスな空気があります。
ただし、店舗によってレートの差は大きく、特に入口付近の店は条件が良くないと言われています。奥に進むほど有利なレートになりやすい一方、初めて訪れると建物の構造自体が複雑で戸惑うことも多いため、ふらっと立ち寄るのは、あまりおすすめできません。
もし敢えて重慶大厦で両替したい場合のポイントを紹介します。
- なるべく人通りの多い日中に利用すること
- 客引きに声をかけられても自分の意思で店舗を選ぶこと
- 両替後は受け取った金額をその場で数えて確認すること
ひとつのディープなアクティビティとして雰囲気を見に行くのは個人の自由ですが、両替だけが目的なら、安心できる公認両替所や日本国内での両替でも十分だと考えます。
現地目線でおすすめする香港ドル両替の考え方
「全部現金」にする必要はなく、おすすめは、クレジットカード・オクトパス・香港ドルの現金、この3つを組み合わせる方法です。それぞれに得意な場面と苦手な場面があるからこそ、1つに絞らず組み合わせておくことが、結果的に一番トラブルに強い旅のスタイルになります。
短期の旅行であれば、日本ですべて両替してしまっても問題ありません。使いきれなかった分は帰国後に再両替してもよいですし、無理に使い切らず、次回の香港旅行や香港経由便のために残しておくという選択肢もあります。
香港国際空港はアジア有数のハブ空港なので、今後トランジット(経由)で立ち寄る可能性も十分にあります。私自身、様々な国で残ってしまった外貨はジップロックや封筒に入れて自宅で保管し、今後の海外旅行で取り出せるようにしています。
実際、両替せずに過去の残金だけで現地のちょっとしたトラブルに冷静に対処できたこともありました。旅行中使わなかった外貨も、次の旅のための小さな備えになると思うと、無駄にはならないと感じています。
香港旅行前に準備しておくと安心なこと
最後に、海外旅行時に意識している準備をご紹介します。
パスポート

何はなくても、パスポートさえあれば香港へ行くことができます。意外と見落としがちなのが有効期限です。渡航直前に慌てないよう、滞在日数に対して余裕のある有効期限になっているか、出発前に必ず確認しておきましょう。短期旅行であればビザ(査証)は不要ですが、制度が変わることもあるため、気になる方は公式サイトで最新情報を確認しておくと安心です。
クレジットカード
香港ではVISAやMastercardなどグローバルなブランドであれば概ね使用できますが、JCBの場合は使用できない店舗もあるため注意が必要です。あらかじめ2枚目のカードを用意しておくと、いざという時の選択肢が増えます。国際ブランドの異なるカードを財布とは別の場所にも分散して持っておくと、紛失・盗難時のリスク分散にもなります。
モバイル決済
オクトパスやUberを含め、モバイル決済は日本で事前にダウンロード・入金まで済ませておくのがベターです。私自身、1枚目のクレジットカードでは入金ができず、2枚目のカードを使う事態になったり、利用前に電話番号認証が必要なアプリもありました。あらかじめ準備しておきましょう。
さらに、普段から交通系ICを使っている方は、香港の改札でタッチした際に日本のICカードが先に反応してしまうことがあるので、メインカードの設定を確認しておくと現地で慌てずに済みます。
現金
これまでお話ししてきた通り、持っておくと安心です。旅のスタイルに合わせて用意しておくと安心です。
通信環境
香港は空港やホテルなどWi-Fi環境が充実しており、私も現地の通信環境だけで問題なく過ごせました。通信環境がなくてもタッチ決済としてオクトパスは利用可能です。とはいえ、現在は1日1,000円未満で使えるeSIMもあり、地図や翻訳アプリをいつでも使える安心感は大きいので、必要経費として検討する価値はあります。
都会である香港でも、場所によっては英語があまり通じないこともあり、翻訳アプリが活躍する場面は思った以上に多くありました。
紙でバックアップ情報のメモ・パスポートのコピー
普段スマートフォンに頼り切っていると忘れがちですが、私は毎回、手書きで飛行機の便名、ホテル名(英語・現地語)、日本への緊急連絡先を紙にも控えています。実際に海外でスマホが壊れてしまったことがありますが、このアナログなメモのおかげで落ち着いて行動し、帰国まで工程をこなすことができました。
スマホが完全に使えなくなっても、ホテルへ戻る手段や、帰りの便の情報を確認できるというだけで、精神的な余裕はまったく違います。
また、パスポートもコピーし、一緒に保管しておきます。過去幸いにも使用する場面はありませんが、パスポートを紛失してしまっては、旅行が苦く辛い思い出に変わってしまいます。海外旅行の度に使用できるので、1枚コピーして渡航時に携帯しておきましょう。
折りたたみ傘・カッパ
香港は年中スコールのような雨が突然降ることがあるため、折りたたみ傘は常備しておくと安心です。テーマパークへ行く予定がある方は、日本の百円均一ショップで買えるカッパなども持参しておくとよいでしょう。
まとめ

香港は世界の中でもキャッシュレス化が進んだ都市のひとつです。一方で、夜市やローカルなお店、マカオ旅行、さらに、思いがけないトラブルなど、「現金があって助かった」と感じる場面も存在します。
より旅を楽しむために、クレジットカード・オクトパス・香港ドルの現金、この3つをバランスよく用意してみてください。
もしかしたら、現金は結局、使わずに帰ってくるかもしれません。それでも、「何かあっても大丈夫」という安心感があります。旅の準備というと、どうしても観光スポットや持ち物リストに目が行きがちですが、快適な旅を支える立派な準備のひとつです。
ぜひ万全の準備を整えて、香港ならではの主要観光スポットから街歩きやグルメ、夜市、そしてマカオまで、思い切り旅を楽しんできてくださいね。
【この記事を書いた人】






























