いつものようにみなさまからいただいた旅するドルユーロダラーの投稿を確認していると、「トライアスロンのアジアカップに国際審判員として参加してきます!」という投稿を発見。 すごい!と社内で話題になりオファーをしたところ、快くインタビューに応えてくださいました。
佐藤 秀雄 さま
証券会社に勤めて16年。太ってしまったことをきっかけに33歳で肉体改造を決意。ウォーキングに始まり、気づけばトライアスロンの虜に。お仕事・家庭と両立しながら審判員としても活躍しています。
きっかけは太ってしまったこと
本日はお忙しいところありがとうございます!
旅するドルユーロダラーの投稿を見つけたときはびっくりしたんですが、もともとはトライアスロンの選手として活動していらっしゃったのですか?
ありがとうございます。トライアスロンって「エリート」といってオリンピックに出るような選手のカテゴリーと、「エイジ」という一般の選手のカテゴリーがあります。僕はエイジのカテゴリーでいろいろな大会に出ています。様々な距離の競技があり、 オリンピックで見ているのは「スタンダードディスタンス」といって2時間くらいで終わっちゃう短い時間のものなんです。一番長いものは「アイアンマン」といって17時間の制限時間の中で全部フィニッシュする競技もあります。
じゅう・なな・じかん!??
スイム3.8kmで、バイク180km、ランはフルマラソン(42.195km)みたいな。そこを完走するくらいには(選手として)やっています。
ええーーー!すごいです!
それって途中で食事もなしにですか?
しますします!自転車とかに食べ物とかを積んでおいて、こぎながら食べます。自転車にバーがあるんですけど、そこにエネルギージェルを張り付けたり、 ちょこっとした袋に入れておいたりとか。ちゃんと補給することも計画的に練習しておかないとなかなか完走はできないです。
▲ トライアスロン競技中の佐藤さま ▲
ひいー大変です!
トライアスロンはいつ頃から始めたのですか?
33歳です。社会人になってからです。
何かきっかけがあったんでしょうか?
当時今より10kgぐらい太っていて、これはまずいと(笑)じゃあちょっとウォーキングしてみようとなって、だんだん走るようになって。 そしたら会社の人が「アクアスロン(ランニングと水泳だけの競技)をやってみないか?」と誘ってくれて、じゃあそっちもやってみようと。あれ、じゃあバイクもやればトライアスロンできるじゃん!みたいな(笑)
それでバイクを買うってなるんですけど、ママチャリだと1台がだいたい1万円くらいですよね。でも最低限、最低ランクのレベルでも競技用バイクを買うとなると、当時で8万円くらいしたんです。
うわーーー!
高いですよね(笑。僕も勇気を振り絞って購入を決意し、家族の理解も得て購入に至りました。
奥様にプレゼンしたんですか!笑
それだけ夢中になったってことですよね。
▲ インタビュー中、終始爽やかな受け答えをしてくださいました。 ▲
審判員で大変なのは『温度感』
さて、今回旅するドルユーロダラーの投稿をきっかけにインタビューさせていただいているのですが、審判員というのはお仕事になるんですか?
仕事で審判をしている人はごく少数で、殆どの方が有志で参加されています。
それは大変ですね。
でもそもそも審判員にはどうやったらなれるんですか?
各都道府県で講習会みたいなものを開いているので、それに参加して合格をもらえれば審判員にはなれます。
審判員になったら最初は国内で審判の経験を積みます。審判資格は3種からスタートし、経験を積んで次の資格を取れば2種になれます。 そうすると今度は国際審判員の方にも申し込みできるようになります。そしてちゃんと試験に合格すれば国際審判員の資格がもらえます。
▲ 香港の大会に国際審判員として参加 ▲
ちゃんと段階があるんですね!
今回は初の海外での審判ですか?
海外では初です!国内ではいくつかやってるんだけど。
去年の頭ぐらいに資格をとりました。
それでもう実績を積んでらっしゃるんですね!
一度の競技で審判は何人くらいいるんですか?
それは非常に良い質問ですね!
どこまでを審判員とくくるかによってだいぶ違うんですよ。競技の技術面の全ての責任を持つ役割から、コースの安全確保を目的として交通整理をする役割まで、審判員の業務は多義に渡ります。
例えば、横浜で毎年行われるワールドシリーズ(世界数か国で開催される内のひとつが横浜)だと、100人以上の人が審判員として参加します。その中で国際審判員として入る人がたぶん20人とかそれくらいだと思います。トライアスロンって3種目あるので、それぞれに審判がついてかなり大変なんですよ。
例えば、自転車ってオリンピック競技だと40kmのコースなんですけど、5kmを8周回となった時に5km分だけ人を配置しないとダメですよね。そうするとそれだけで人が必要になるんです。
何をチェックするんですか? 違反行為などがあるんでしょうか?
ありますよ。外側を回らなきゃいけないコースで内側を回ったらそれは違反ですし、他の選手を妨害する行為や、競技の道具(例えばゴーグル)などを所定の場所に収納しなかったら、違反になります。 自転車なども細かくルールがたくさんあって、そういうのをちゃんと見て公平性を担保します。
審判をしていて一番大変なことはなんでしょうか?
一番大変なこと…たくさん難しさはあるんですが、たぶん一番難しいのは温度感だと思います。いろんなルールがあるんですけど、それはオリンピックを想定して作られているんです。 じゃあそのオリンピックのルールを小さな大会に当てはめるのか?というとそうではないですよね。だから「このイベントではこれくらいの温度感で運営するのでよろしく」といった話をしてその温度感をすり合わせるのが結構大変です。
じゃあ競技の規模によっては甘いじゃないですけど、多少加減をするというか…
そういうことです。それをしないと競技として成立しなくなってしまうので。例えばキッズのレースがあるとしてコースを間違えそうになったら「こっちだよ!」と声をかけます。でもオリンピックでそんなことは絶対にしません。 これは極端な例かもしれませんが、どこかでそういった温度感を調整しないと成り立たない部分があるんです。審判の上に立つ人がそれを設定して、それを他の審判と共有することが大切です。
オリンピックでコースをミスしたら失格になってしまうということですか?
失格ですね。正しいコースで走るということは選手の責任で、選手は前もってコースを下見するチャンスが与えられています。
トライアスロンは体だけじゃなくて頭もフル回転する競技なんですね。
東京オリンピックに参加したい
佐藤さんがトライアスロンを通して叶えたい夢や、目標はありますか?
目標としては東京オリンピックに関わることって掲げていて。理想的には審判員として関わりたいけど、審判員じゃなくても何か役に立つことはできるはずです。なので、いろんな資格や経験を積んで目指しています。
自分自身、トライアスロンを通してすごくいい刺激をたくさんもらっているんですよ。友達も増えたし、考え方の幅も広がったし。人間として成長した部分がかなり大きいと思っています。だからもっとみんなにも知ってもらいたいし、僕と同じような体験をしてほしい。
それってとても魅力的です!
ちなみに人間として成長したなと感じる具体的エピソードはありますか?
時間の使い方が上手になりましたね。トライアスロンって練習時間の確保がとても難しいんです。17時間の競技に出場するとしても仕事もしなくちゃいけないし17時間続けて練習ってほとんどできません。 だから自転車通勤にしたり、隙間時間を使って、「ちょっと1時間あるから外を走ってこよう!」とか。会社の中にジムがあってそこでちらっと走ってまた仕事に戻ってということもできます。
ええーすごい素敵な会社ですね!
小さな時間をうまく使って練習しています。
他にも、「今日はこの練習をこの時間からしたいから、何が何でもそこまでに仕事を終わらせるぞ!」とかなり目的意識をもって生活するようになりました。
仕事のモチベーションアップにもつながりますね!私はデスクワークですが、できるだけ動きたくない人なので余計にすごいなって感じます。
いや、でも僕も10年前はぷよぷよでしたから!笑
途中いろいろ波はありますよ。去年は長めの距離の大会に何度か出場しましたが、今年は審判員に集中することにしています。楽しいから続けられます。
仲間の支えとかも大きいのですか?
そうですね。会社にもトライアスロンのチームがあるので。僕は証券会社に勤めているのですが、トライアスロンをやっている人の中には証券会社に勤めている人が結構いるみたいです。 知り合いは仕事中でもトイレとか席を立つごとにスクワットをしてトレーニング時間にあてているようです。
す、ストイックです!
僕もこんなにハマるとは思っていなかったです。そういう思いもあって審判員のライセンスをとって国際審判員をやったりしています。競技人口が増えて自分と同じような体験をしてもらえるとうれしいなと思って。 それが僕の夢であり、なんとかしたいしできたらいいなと思っています。
インタビューを終えて・・・
お仕事帰りでお疲れかと思いきや、さすが日々トレーニングを積んでいらっしゃるだけあって爽やかにお答えくださった佐藤さま。
話している雰囲気もフレッシュだったので、てっきり30代前半の方かなと思っていたら今年で41歳とのこと!やっぱりアスリートのみなさんはすごいなぁと感服いたしました。 トライアスロンはとにかくハードで大変というイメージでしたが、短いものでは2時間の競技などもあり意外と敷居が低いこともわかり、一緒に話を聞いていた福田君は特に興味津々でした。ドルユーロ内でトライアスロンが流行る日も近いかもしれません!?
東京オリンピックにどんな形でも力になりたいと今から準備している佐藤さま。その素敵な目標を私たちも応援します!佐藤さま、この度はインタビューにご協力くださり、ありがとうございました。
世界とつながろう!懸け橋プロジェクトについて
世界とつながろう!懸け橋プロジェクトは、世界で活躍する方を応援し、日本と世界の懸け橋になることを目指すプロジェクトです。世界へ羽ばたく方、これから羽ばたこうとしている方に、広報チームがインタビューをしてその夢を語っていただいています。
ふかつ
広報チームリーダー。普段は弊社サイト制作を担当。今行きたい国はフランス!サッカーが大好き。
さいとぅ
広報チームとして活動中。カナダに留学経験あり。今行きたい国はチェコ!一人海外旅も好き。