中国にて、友情について考える
みかんさん
2019/01/25 投稿
今年の年末年始は、中国に滞在。年越しも、中国の歌番組を見ながら、ホテルにて。
母親の若い友人(中国人男性)の、ふるさとを訪ねてみる旅でした。
ちなみに、70代の母に対し、彼は20代!
半世紀近い年齢差で、どうして友情が芽生えたのでしょうか?
母と彼との交流は、とても些細なことがきっかけでした。
もう今から、かれこれ5、6年前。 地元、つくばの駅にて、彼らは出逢いました。
日本の大学へと留学してきたばかりの彼に、「この電車は、○○に行きますか?」と訊かれ、「はい。行きますよ」と返事して、いったんは別れた母。 (母は、彼とは別の電車に乗車予定でした。)
しかし、しばらくしてから、「いやいや、あれは快速だから、彼の目的の駅には行かないぞ」と気づいた母は、猛ダッシュで駆け戻り、ちょこんと電車の席に腰かけていた彼に、「ごめん! 間違いだった! 降りて降りて!!」と言いながら、引きずり降ろしたのです。
それは、まさに発車直前で、ギリギリセーフにて降車成功。
ほっと息をつきながら、人気の無い駅のホームにて、彼らは、いろいろな身の上話をしたそうです。
それがきっかけとなり、連絡先を交換して、時々メールをやり取りしたり、彼の両親が日本に来る時には会ったり、彼が京都に来た時には案内したり。
緩やかな友情を、ずっと紡いできました。
「いつかは、彼のふるさとを訪ねてみたい」 今回は、そんな母の夢を叶える旅だったのです。
上海、無錫、蘇州。
三都市を巡った旅は、とても楽しく、人々との出逢いに大いに恵まれたものでした。
無錫では、太湖、蠡湖、霊山大仏、江南大学、南禅寺、南長街......
蘇州では、拙政園、蘇州博物館、人民大学、誠品書店......
上海では、田子坊、淮海中路...... 伝統的な場所から、近代的なビルまで。
本当に素晴らしく楽しく、充実した旅でした。
いわゆる「中華料理」の概念が変わるような、美味しく優しい、しみじみとした味わいのお料理も、たくさん堪能できました。 (彼の御実家にて、お母様のお手製の夕食まで 御馳走になってしまいました!)
ですが、そういった観光やグルメはもちろんのこと、それ以上に楽しかったのが、中国の人々との出逢いと会話。
現代に生きる等身大の中国の人々の暮らし、考え方、学び方、趣味嗜好などなどに触れ、改めて、もはや人種や物理的な距離は関係無く、価値観や感受性で人々がダイレクトにつながれる時代が到来している、ということを実感できました!
夢を語る中国のキラキラした若者たち、それを全力で応援する親御さんたち、彼ら彼女らに出逢えて、たくさん話ができて、本当に嬉しかったし、大いに刺激を受けました。
それにしても、母と彼の出逢いは、ささやかながら、本当に奇跡のようなものでした。
もし、彼があの時、母に話しかけなかったら?
もし、初めから正しい電車に乗っていたら?
もし、母が間違いに気づいても引き返さなかったら?
いくつもの他の選択肢を通り抜け、結果として、彼らは、深く関わりあうこととなりました。
人間って、人生って、本当に面白いですね。
母に、どうしてそんなに彼に構うのか、質問をしてみたことがあります。
彼女の答えは、こうでした。
「私の息子、つまり、あなたのお兄ちゃんも、異国であるタイで、いろんな人たちに助けられて、無事に元気に過ごせて、仕事や伴侶や息子まで得られたでしょう? だから私も、同じことをしているだけなのよ。全然大したことじゃないのよ。 でもね、こういう気持ちは、まわりまわって、地球も一周するんじゃないかな?」
なるほど。
私も、偶然の出逢いや人との御縁を、心から大切にできるような人間になりたいと思います。
皆様、どうか健やかに。 すべての出逢いに、感謝。
●コメント
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【 広報チーム さいとぅ さん】
これはすごい出会いですね!
お母様のやさしさはきっと中国の彼の心に響いたんだと思います。
お二人の友情がいつまでも続きますように!